『ネモの戦い ~海底二万マイルを超えて~ 完全日本語版』は、プレイヤーがネモ船長として潜水艦ノーチラス号に乗艦し、財宝探索や敵船との戦闘などを行いながら世界中の海洋を巡る、海洋探索アドベンチャーゲームです。
フランスの小説家ジュール・ヴェルヌの冒険小説『海底二万マイル』と『神秘の島』の世界が舞台になっており、ゲームには原作のキャラクターなども登場します。
この記事では本作の概要や、国内外でのレビュー評価/口コミ、スリーブや拡張など幅広く紹介します。
ネモの戦いとは?
ゲームの概要
本作では毎ターン、プレイヤーは海洋で様々な試練に立ち向かい、帝国主義列強の海軍の圧力と戦いながら、ノーチラス号とその乗組員によるアクションを実行していきます。
待ち受ける罠を避けつつ、ネモ船長の動機に注意しながら、敵船の撃墜、財宝の発見、抑圧された人々の抵抗運動の扇動など、様々な方法で勝利点を集めていきます。
ルールの概要や特徴
動機タイルの選択
ゲーム開始時に、ネモ船長を探検へと導く動機を「戦争!・探検・反帝国主義・科学」の4種類の中から選択します。
ゲーム終了時に、動機タイルによってそれぞれの勝利点が補正されるため、ここで選択した動機がゲームのプレイ方針となります。
冒険カードの解決
各ターンの最初に、山札から冒険カードを1枚公開して、そこに記されているイベントを解決します。
冒険カードにも様々な種類があり、ダイスロールの結果で自身に良いこと/悪いことが起きることもあります。
山札を構成する冒険カードはゲームの度に変わるため、毎回違った冒険を楽しむことができます。
船舶の配置と撃墜
毎ターン、ダイスロールにより海洋上に配置される船舶を撃墜することで勝利点を獲得します。
ただし、船舶を撃墜し続けて「悪名」が大きくなりすぎたり、撃墜せずにボード上の海洋ボックスが船で埋まるとゲームに敗北するためバランスが重要です。
また、ゲームの進行や悪名レベルに応じて、配置される船舶の数が増えたり、より強力な敵船が配置されるようになります。
ダイスロールによる判定
上述の「冒険カードの解決」や「船舶の配置」以外にも、冒険や攻撃、探索、休息など、様々なアクションではダイスロールによって「成功」「失敗」の判定を行います。
ダイスロールは本作で最も重要な要素で、出目により戦況が大きく左右されます。
なお、一部のアクションではノーチラス号の3種類のリソース(ネモ・乗員・船体)を賭けることで、ダイスの出目を補正することが出来ます。
ただし、判定に失敗すると賭けたリソースを失うリスクがあり、いずれかのリソースが尽きるとゲームに敗北するため注意が必要です。
キャラクターの能力
6枚のキャラクタータイルを犠牲にすることで、プレイヤーはタイルに応じた特殊能力を一時的に使用することができます。
ただし、使用できるのはキャラクターごとに1度ずつで、ゲーム終了時まで使用しなければ勝利点を得ることができます。
ノーチラス号の強化
撃沈した船舶や財宝を支払うことで、ノーチラス号の移動力や攻撃力をあげたり、特殊能力を付与してゲームを有利に進めることができるようになります。
ゲームの終了と得点計算
山札から「フィナーレカード」を引いたらゲームが終了し、最終的な勝利点に応じた結末を見ることになります。
ただし、フィナーレカードを引く前にノーチラス号のリソースが尽きたり、全ての海洋が船で埋まったりした場合はその時点で敗北となります。
BGGにおける評価
世界中のボードゲーム愛好者が集うBGG(Board Game Geek)におけるランキング・評価などは次の通りです。
タイトル | Nemo’s War (Second Edition) |
デザイナー | Chris Taylor |
タイプ | テーマ別 |
主な メカニクス | エリアマジョリティ エリア移動 ダイスロール 協力/半協力ゲーム |
最適人数 | 1人 |
原作販売年 | 2017年 |
評判・口コミまとめ
『ネモの戦い』を実際にプレイした人の口コミを紹介します。
評判の良い口コミ
ソロゲームの傑作だ。
小説に沿って作りこまれており、原作のテーマがちりばめられている。
高難度で緊張感の溢れるソロプレイが楽しめると、全体的に高く評価されています。
また、原作小説に沿ったテーマ性やアートワークも素晴らしく、プレイ方針に影響する4種類の動機タイルによりリプレイ性がある点も高評価の一因になっていました。
気になる口コミ
運の要素が強すぎる。
戦闘やイベントなど、多くの場面でダイスロールが発生するため運の要素が強すぎるというようなコメントが多く寄せられていました。
ある程度のダイス操作は可能ながらも、ダイス運で左右されるところが多いため、戦略を立てるのが難しく、勝利しても「運が良かった」と思って余韻に浸りにくいと感じる人もいるようです。
なお、低評価の多くはダイスロールに関する指摘であったため、運要素がそこまで気にならないのであればオススメできる作品かと思います。
生の声(Twitter)
スリーブと内容物
カードサイズ/スリーブ
カードサイズと枚数、それに合うスリーブは次の通りです。
カードサイズ:63.5×89mm
カードの枚数:81枚
スリーブサイズ:ポーカーサイズ
内容物
エラッタ/補足情報
本作に関するエラッタが報告されています。詳細は公式サイトをご確認ください。
また、問い合わせページにてカードの交換対応も受け付けられています。
公式サイトでの報告はありませんが、当方で以下のエラッタを確認しています。
※英語版のルールブックを基にしており、誤訳の恐れもありますのでご留意ください。
●ルール説明書 ◆11. アクションフェイズ 冒険アクション
誤:カードの内容を実行せずに裏返しにして冒険デッキのに戻し、
正:カードの内容を実行せずに裏返しにして冒険デッキの下に戻し、
●ルール説明書 ◆11. アクションフェイズ 冒険アクション
誤:財宝マーカーと同数の財宝トークンを財宝プールから引く
正:財宝マーカーと同数の財宝トークンを財宝プールから引く(財宝マーカーはストックに戻す)
日本語版の販売/再販予約情報
2023年7月28日時点では、定価販売しているショップが無く、再販が待たれる状況です。
拡張/シリーズ
国内では、本作の拡張/シリーズは発売されていません。
なお、海外では以下の拡張が発売されているため、いずれ国内でも発売される可能性があります。
- Nautilus Upgrades Expansion Pack
- Holidays on the High Seas
- Bold and Caring Expansion Pack
- Dramatis Personae Expansion Pack
- Journey’s End Expansion
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